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2023.10.2.

ライバーの確定申告のやり方!経費・学生や主婦・バレる?

ライバーの確定申告のやり方!経費・学生や主婦は?

コロナ禍の巣ごもり需要もあり、新たなエンタメとして定着した「ライブ配信」。リモートワークなどで自由に使える時間が増えた方の中には、自ら「ライバー」として活躍するようになった方もいるでしょう。

一方、ライブ配信で収益を得たけど確定申告しなければならないか分からなくて不安……という方もいるかもしれません。この記事では、確定申告が必要なライバー、確定申告のやり方、専業の場合と副業の場合の違いなどを説明します。

※ライバーの確定申告は、やまと総合会計事務所にお気軽にご相談ください。ご相談はこちらのページです。

ライバーとは?業種名は何?

ライバーとは、ライブ配信アプリを利用して配信活動を行っている配信者のことを言います。

ライブ配信アプリは「Pococha(ポコチャ)」「BIGO LIVE(ビゴライブ)」「17LIVE(イチナナライブ)」「Uplive(アップライブ)」「ふわっち」「トークライバー」など数多く存在しています。

ライバーは、主に視聴者による投げ銭(寄附)により収入を得ることができます。さらに視聴回数による配信収入や、有名になることで企業のPR案件といった広告収入を得ることも可能です。

そもそもライバーの業種はなんだろう?と疑問に思う方もいるかもしれません。総務省による日本標準職業分類や法定業種などで正式に定義されているわけではありませんが、書類などで聞かれた場合は「インターネット事業」「インターネット附随サービス業」などと答えるとよいでしょう。

ライバーは収入がいくらから確定申告が必要?

ライブ配信で収入を得ている場合、原則として確定申告が必要になります。ただ、例外として不要な場合もあります。本業か副業かで条件が変わるので、それぞれ見ていきましょう。

本業の場合

本業としてライブ配信活動を行っている場合、年間所得が48万円を超えたら確定申告しなければなりません。

「所得」とは収入のことだと思われがちですが、実はイコールではありません。

「所得」とは、収入から経費を引いた金額のことをいいます。

そして、「年間所得」とは、その年の1月1日~12月31日までの一年間で得られた所得のことをいいます。

年間所得が「48万円」を超えると、確定申告が必要になると覚えてください。

▼年間所得
その年の1月1日~12月31日までの一年間で得られた所得のこと

▼所得
収入 - 経費 = 所得(48万円を超えると確定申告が必要)

 

住民税申告は別途必要

確定申告とは所得税の納税手続きです。個人事業主やフリーランスとして働いている方は、この所得税の確定申告とは別に「住民税申告」をしなければなりません。

住民税は、確定申告や年末調整の所得情報をもとに算出されています。なので確定申告や年末調整をすると住民税申告もしたことになりますが、確定申告等をしていないと市町村は住民税の算出ができません。確定申告が不要でも、住民税申告は必要になるので注意しましょう。

売上1000万円を超えると消費税の納税義務も

さらに、ライブ配信での売上が1000万円を超えると課税事業者となり、消費税を納付する義務が発生します。

課税事業者になると、確定申告・納付のほか、直前の課税期間の消費税額に応じて中間申告・納付も義務付けられるので、稼ぎが大きい方は必ず覚えておきましょう。

適格請求書発行事業者の登録申請を行った方は消費税の納税義務あり

インボイス制度に対応し、適格請求書発行事業者の登録申請を行った方は課税事業者となります。そのため消費税を納税する義務が発生します。

インボイス制度については、税金が軽減される特例制度がありますので、特例が使える時期や内容については国税庁のページで調べるか税理士などの専門家にご相談ください。

副業の場合

会社員として給与をもらいながら、副業としてライブ配信活動をしている場合、副業の年間所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。

ただし、副業の年間所得が20万円以下であっても確定申告が必要な場合もあります。例えば、医療費控除やふるさと納税を申請する場合は、給与以外に得た所得金額を含めて確定申告を行わなければなりません。

アルバイトと掛け持ちの場合

アルバイトやパートで給与をもらいながらライバーをしている場合、ライバー活動で得た年間所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。

確定申告しないとどうなる?

確定申告をしなかったり、確定申告を忘れてしまい期限を過ぎて申告した場合、ペナルティが課される場合があります。

確定申告をしなかった場合

無申告加算税が課されます。無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。

確定申告を忘れていた場合、気づいた時点でなるべく早く申告するようにしましょう。

期限を過ぎて申告した場合

期限後申告の場合、申告書を提出した日が納期限となり、その日に申告分の税金を納めなければなりません。この納期限に税金を納められなかった場合に延滞税が課されます。

ライバーの確定申告のやり方

それでは、ご自身で確定申告をする場合の基本的な流れと作業内容を説明します。

①必要な書類等を用意する

まずは確定申告をするための準備を始めます。

<必要な書類>

・確定申告書

確定申告書は、確定申告で提出する書類のことです。確定申告では、この書類に必要事項を記載し、納税額を計算していきます。確定申告をする人は全員作成する必要があります。

確定申告書は国税庁のページからダウンロードできます。また、税務署や郵送などで提出するのではなく、e-Taxで電子申告する場合は、紙の申告書は必要なくペーパーレスで申告することも可能です。

・収支内訳書/青色申告決算書

主に個人事業主やフリーランスとして活動する専業ライバーなど、ライバーで稼いだ所得を「事業所得」として申告する場合、確定申告では白色申告か青色申告をすることになります。白色申告の場合は「収支内訳書」を、青色申告の場合は「青色申告決算書」を一緒に提出する必要があります。

<書類作成に必要なもの>

・源泉徴収票(副業ライバーなどの場合)

会社員やアルバイトとして給与所得がある場合、給与所得の源泉徴収票の内容を確定申告書に転記しなければなりません。確定申告書作成時には用意しておきましょう。

・金融機関の口座情報

源泉徴収などで天引きされた税金が、本来納めるべき税額を上回っている場合があります。その際は差分が還付されるので、還付金を受け取る口座情報が必要になります。

<その他必要なもの>

・帳簿、領収書、レシート

確定申告書や収支内訳書、青色申告決算書に、一年間の収支を記入する際に参照します。

・マイナンバーカード

確定申告書を提出する際には、提出方法によってマイナンバーカードの提示、写しの添付、電子申告でのマイナンバーカードの読み取りなどが求められます。

②確定申告書を作成する

書類等の準備ができたら、それらをもとに確定申告書を作成していきます。

確定申告書はご自身で計算・手書きで記入するほか、国税庁が提供するサービスや、確定申告ソフトを利用することでも作成することができます。

また、ご自身で作成するのに不安があったり、作成時間が取れない場合、税理士に依頼することもひとつの手段です。

③確定申告書を提出する

確定申告書が完成したら、申告期間内に提出しましょう。提出方法は税務署や確定申告会場への持参、税務署への送付、e-Taxでの電子申告から選ぶことができます。

④納税する

確定申告書を提出したら、算出された納税額を納めます。納税方法は振替納税、e-Taxやクレジットカード払い、コンビニエンスストアでの納付、金融機関や税務署窓口での納付などが可能です。納期限までに納めたら確定申告は完了です。

ライバーの経費は?美容代は?

経費とは、事業を行う上で必要なものの費用のことをいいます。前述のとおり、確定申告で算出する所得とは、収入から経費を差し引いた額のことなので、確定申告の際は経費もしっかり計算していきます。

ライバーの経費として、どんなものが認められるか確認しましょう。

経費として認められるもの

・撮影機材
・照明機材
・衣装
・メイク道具
・配信に利用した道具・インテリア
・配信に必要な旅費・交通費
・配信活動上必要だった書籍
・グッズ作成費
・ゲーム配信に利用するゲーム機・ソフト
・プレゼント配信に必要な費用
・配信事業に関連する他ライバーへの投げ銭費用
・配信に必要な会議費(飲食代)
・家賃、水道光熱費、通信費(事業に利用した部分のみ算出) など

経費として認められないもの

事業に関係なく、プライベートで利用する物品購入、旅費・交通費などは当然経費として認められません。また、企画で利用するとしても、高級車や高級時計の購入は経費として認められない場合があります。悩んだ場合は税理士に相談してみるとよいでしょう。

源泉徴収は何?

事務所に所属しているライバーの場合、事務所から支払われる報酬は、源泉徴収としてあらかじめ源泉所得税を差し引かれた報酬が支払われています。

「ということは、すでに税金を支払っているわけだから、確定申告は不要なのでは?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

確定申告とは、正しい納税額を計算し、納税するための手続きです。

源泉徴収された分の所得も含めて確定申告することで、多く払い過ぎている税金が戻ってくることがあるので、源泉徴収された所得も必ず確定申告しましょう。

副業で確定申告すると会社にバレる?

会社に内緒で副業をしている場合、確定申告をすることで副業している事実や副業で得た収入が会社にバレてしまわないか……と不安な方もいるでしょう。

会社から得た給与と副業で得た収入を確定申告しても、会社に副業をしている事実や収入が直接伝わることはありません。

ただ、「住民税」がもとで副収入があることを、会社に把握される可能性はあるでしょう。
会社員の場合、多くの方が給与から住民税が天引きされる「特別徴収」という形を取っています。給与明細を見て、住民税が引かれている場合は特別徴収です。

この「特別徴収」という形で住民税を納付している場合、市町村から会社に対して住民税額を知らせる「住民税課税決定通知書」に総所得額が記載されるのです。総所得とは、給与所得のほかに給与以外の所得額も含まれます。この通知書をもとに給与以外の所得があることが把握されることはあるでしょう。

「住民税課税決定通知書」による副業バレを防ぎたい場合は、住民税を特別徴収から「普通徴収」に切り替えるとよいでしょう。「普通徴収」とは給与から天引きせず、自分で住民税を納付する方法です。

「普通徴収」の場合、「住民税課税決定通知書」には会社の給与しか記載されません。会社に給与以外の所得を知られることはないので、確定申告する際に住民税の納付方法を「普通徴収」と選択して申告するとよいでしょう。ただし、「普通徴収」の場合は必ずご自身で確定申告する必要があります。

学生や主婦で扶養内の場合は?

学生や専業主婦の方で、家族の扶養となりながらライバー活動を続けたい場合も見ていきましょう。

家族の扶養になっていると、その所得税を納税している家族は「扶養控除」という所得控除を受けることができます。

ただし、あなたの年間所得が48万円を超えると、納税している家族が扶養控除を受けられなくなるので注意しましょう。

ライブ配信で得た所得が48万円を超えると確定申告しなければならず、納税している家族は扶養控除を受けられなくなります。

また、アルバイトやパートとして働きながらライバーをしている場合も、アルバイトなどで得た所得とライブ配信で得た所得の合計が48万円を超えると扶養控除を受けられなくなります。

インボイス制度の影響は受ける?

個人事業主やフリーランスの方だと、インボイス制度の影響が気になるかもしれません。

インボイス制度とは、「適格請求書(インボイス)」という形式の請求書を利用しようという制度で、2023年(令和5年)10月1日から始まっています。「適格請求書(インボイス)」は、これまで利用されてきた一般的な請求書に、「適格請求書発行事業者としての登録番号」「適用税率」「消費税額等」の記載が追加された請求書のことをいいます。

簡単に説明すると、インボイス制度とは消費税に関係する制度です。

国内のライブ配信サービスを利用している場合、ライブ配信で稼いだ収入は消費税の課税対象となるため、なんらかの形でインボイス制度の影響を受けると考えられます。

ライバーの方が、「適格請求書(インボイス)」にどのように対応すればよいかはご利用の配信サービスに確認が必要です。対応が分からない場合は税理士への相談をオススメします。

ご相談をお受けいたします

確定申告のご相談の際は、次の資料をご用意の上、お問い合わせください。

ご相談に必要な資料等

①ライバーの収入がわかるもの
毎月の支払明細がない場合は、手書きのメモや銀行の入金データなどでも大丈夫です。

②1年間の経費を計算した資料
携帯代や衣装代、配信費用、投げ銭費用など。

③1年間に支払った国民年金や健康保険の金額がわかる資料

④生命保険やふるさと納税の証明書

確定申告サポート

書類の整理から、帳簿の作成、税額の計算、確定申告書の作成、申告書提出まで、すべて税理士におまかせください。

みなさまに安心していただけるよう、プロフェッショナルが丁寧に申告作業を行ってまいります。

まずは相談だけでも大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。
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おわりに

新型コロナウイルス、世界大戦、物流の不安定による物価高騰など不安定な日々が続いています。

ライバーを始めた方の中には、今後も仕事が続けられるか不安を感じていらっしゃる方もいるでしょう。

目の前のお金の悩みを専門家に相談することで、そういった心の負担も少し解消されることと思います。難しいことは当社がわかりやすく説明させていただきますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

ライブ配信で所得を得たら、確定申告の相談をすることをおすすめします。

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