新年特別企画 ~クラウド会計の夜明け~
クラウド会計の幕開け
2012年に日本で1つのベンチャー企業が生まれた。
その企業とは、辻庸介社長率いる「株式会社マネーフォワード」だ。
マネーフォワード(以下MF)が当時発表したサービスは、銀行や証券会社からあなたの口座残高を自動的に読み込んできて、財産を一元管理できるというものであったと記憶している。
このサービスにより、給料の入金やカードの使用履歴や家賃の引き落としの確認、銀行残高のチェックを、コンピュータが自動的に取り込んでメールで知らせてくれるようになった。
ちなみに当時のMFを紹介する記事はこのように、MF社を説明している。
資産管理サービス「マネーフォワード」が正式版に–プレミアム会員サービスも開始
実際は私はこのサービスを当初から利用していた。
(正確には当初Moneytreeという会社のサービスを先行利用していたのだが、マネーフォワードが同様のサービスを始めて以来、マネーフォワードを愛用している。)
このサービスを知った時の私の衝撃たるや、当時私がはまっていたワンピースの一場面に例えるとこうなる。
なぜなら、それまでのインターネットは、あくまで人間が主体となって、情報収集する手段ために利用するものだったが、このサービスは、コンピュータの意思でインターネットに接続し情報を収集して可視化できるものだったからだ。
つまり給料の入金されたことを確認する作業を例に挙げると、
これまでは人間がネットバンキングから入金を確認していたが、AIが自動的に口座情報にアクセスして給料の入金を確認し、「昨日ABC会社から40万円の給料の入金がありました」とメールしてくれるのだ。
蒸気機関車から自動車に移動手段が変わった時に、石炭から石油へのエネルギー革命が起こったように。
タウンページや大辞典からホームページやウィキペディアに情報の入手手段が変わった時に、本を読むからネットで調べるといった情報革命が起こったように。
マネーフォワードは最新技術を使って会計業界に殴り込みをかけてくる。そう思ったからだ。
この最新技術は今ではフィンテック(Finance & Technology)と呼ばれていて、2016年に最も注目されたキーワードのうちの一つである。
当時のマネーフォワード(辻社長との出会い)
将来、会計業界に革命が起きるかもしれないと感じた私は、辻庸介という若手社長に会ってみたくなった。
早速、辻社長にアポイントメント。その際に送ったメールが今でも残っていた(さすがgmail)。
(私は自慢ではないが、行動力だけは人一倍あると自負している。実際、私が興味を持った事に関しては、納得いくまで調べるタイプなので税理士という細かい仕事に向いているのかもしれない。)
↓↓↓
【片山】2013/4/4
突然のご連絡失礼いたします。
私は東京で公認会計士・税理士をしております片山武蔵と申します。
本日(4/4)の日経新聞夕刊の御社の記事を読ませていただきました。
また、ホームページやその他の記事も拝見させていただきました。
現在私は大手会計事務所や大手証券会社で***をさせていただいております。
以前より、個人における財産の一元管理、相談等ができるサイトが必要であると考えておりましたので、まさに貴社のサービスはそれに合致するものでした。
貴社のビジネスや社長のご方針に大変に興味がありますので、一度お話を聞かせていただく時間を頂戴いただけますでしょうか。
【辻社長】2013/4/5
マネーフォワード代表の辻です。
メールを頂戴し、誠にありがとうございます。
ぜひオフィスにお越しいただければと思います。
来週、再来週でお手すきのお時間をいくつか頂戴できれば幸いです。
↓↓↓
現在の辻社長のスケジュールからは想像もつかないかもしれないが、すぐにアポ取りが終了し、MF社に訪問する日となった。
当時、MF社のオフィスは恵比寿にあった(現在は田町)。
指定された場所に行ってみると、そこは普通のアパートの外観であった。
???
こんなところに事務所があるのか?
その場所はとても業界革命を起こそうとしている会社の本社がある場所とは思えなかった。
もちろんオフィスの中も、普通のワンルームをパーテションで区切って応接室と作業部屋を隔てた作りだったことを覚えている。
初めてお会いした辻社長は、物腰が低く気さくで人当たりの良い方だった。
辻「まだ、自分たちのサービスがどのようなビジネスに結びつくのかよくわからん。」
辻「とりあえず、便利なものを作っていけば、そのうちビジネスになる情報が向こうからやってくる。」
片山「会計ソフトも作ってください。すごいことができると思います。」
確かそんなことを話した記憶がある。
現在のマネーフォワード
次に私と辻社長が再会したのは、2015年12月25日だった。
私は前職を退職して、独立したばかりの時であった。
一方の辻社長といえば、本社は田町駅前の高層ビル。社員の数も数百人規模になっていて、2016年日本の起業家BEST10に選ばれるほど、起業家の間では有名な存在となっていた。
現在のオフィス
飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続ける辻社長とMFだったが、社長の人当たりの良さは健在で、創業当初に私が恵比寿のオフィスに訪問させていただいたことも覚えていてくれていた。
そんな縁があって、私は開業当初から当事務所の基幹システムとしてMFクラウド会計を導入している。
そして偶然にも、私と辻社長は6月30日が誕生日というのも何かの縁だと思っている。
これからのクラウド会計業界
エストニアというヨーロッパの小国では「税理士がいなくなった」といわれている。
実際には「いなくなった」わけではないが、確定申告が誰でも簡単にできるほど効率化された国では専門家の必要性が少なくなった。と言った方が正しいかもしれない。
日本の税法は正直複雑である。
専門家でも難しい。
私は税理士という現場にいるからこそ、税務業務という書類作成業務の非効率な部分も把握しているつもりだ。
誰もが簡単に理解できない税法を作ることは、結果として国の競争力を落とすことにつながると考えている。
国民が税金計算のために使用している時間を、別の事、例えば家族との余暇を楽しんだり、新しいサービスを作り出すことに注ぐことによって、どれほど国民の満足度が高まることでしょう。
そんなことも考えながら新年早々、201×年は日本もこんな国になったら便利だなと妄想したいと思う。
注意してほしい。20××年ではない。201×年だ。それは辻社長と出会った2013年から現在までの、FintechやIoT (Internet of Things)の急激な革新、マイナンバー制度(旧:住民基本台帳カード)の動向を見る限り、考えられる未来として想定しておくべきであろう。
最後に、辻社長が創業当時から思いを書き綴っているマネーフォワードCEOブログより、「ポール・グレアム “How To Get Startup Idea”」を紹介したいと思う。
Y combinator(アメリカ、カリフォルニアのベンチャーキャピタル)の創立者であるポール・グレアムさんの “How To Get Startup Idea”というエッセイがあります。その中に下記の表現があります。
Live in the future and build what seems interesting. Strange as it sounds, that’s the real recipe.
未来に生きて、面白そうなことを作ってみよう。奇妙に感じるかもしれないけれど、それが(起業が成功する上での)レシピだ。
ソニーのウォークマンは、井深さんが「機内でも綺麗な音で聞けるモノを作ってほしい」と、当時オーディオ事業部長であられた大曾根さんにお願いし、できあがってきた製品を見てピンときた盛田さんが、「録音機能のないものは売れない」という社内の反対を押し切って製品化し大ヒットに導いた、という話を聞いたことがあります。
まずは自分たちが、また身近な人やユーザーの方が、本当に欲しくて、面白くて、便利なものを作る。
3年後、5年後僕たちが、使っているお金に関するサービスについての、想像を張り巡らし、こんなことがあれば/できれば便利なのに、と思うサービスを、3年後、5年後には、当たり前に使っているようなサービスを、今後つくっていきたいと思います。
マネーフォワードCEOブログ 記念すべき最初の投稿
2013/1/26 ポール・グレアム “How To Get Startup Idea”
201×年の私たちの生活
登場人物やサービスの内容はすべて当事務所代表の妄想によるもので、将来存在すると保証できるものではありません。
俺は鈴木一郎35歳。
慶應大学を卒業後、通信会社で13年勤務してきた。
課長まではすんなり昇進できたが、今後の昇進はなかなか厳しそうだ。
土日出勤やサービス残業も続き、このまま一生ここで働くことに疑問を感じている。
そんな職場で人材削減のため、早期退職制度が始まったとみんなが騒いでいる。
もともと、今の職場には未練がなかったし、本当は飲食店を開業したいという夢もあった。
俺は思い切って退職した。
退職金とこれまでの貯金は合わせて600万円。
飲食店の開業準備は1000万円必要だ。
残りの400万円はマネーフォワード銀行に借りることにした。
俺のこれまでの、貯金やクレジットカードの返済記録をビッグデータとして保管しているマネーフォワード銀行ならば、融資限度額や融資利率を適切に判断してくれる。
審査はホームページから、融資希望額と業種を選択し、いくつかの項目をチェックし、申し込みボタンを押すだけ。最短20分で可能だ。
他の銀行では、融資を受けるのに、詳細な事業計画書を作成した後、銀行員と面接が必要らしい。審査期間も1か月から2か月かかるようだ。
これではオープンに間に合わないし、俺のような飲食店未経験の人には融資が出づらいらしいではないか。
~無事にオープンを迎えて~
日々の売上の把握も簡単だ。
なぜって、レジと会計システムが同期されているので、売上は自動的に集計できる。
スーパーで仕入れをする際も、MFクレジットカードを使用すれば、いつ、どこで何を、いくらで購入したかすべて把握できる。
MFカードはマイナンバーとリンクしていて、税務署への経費申請手続きは自動で行われる。
確定申告も簡単だ。
MF画面を見て、内容の確認→署名→送信作業をするだけだ。
税金だって自動的に引き落とされるので、カードの引き落としと同じ感覚だ。
マネーフォワードという会社は、私たちのお金の流れを自動的にビッグデータとして保管しているらしい。
どこで何を購入したか把握されてしまうのは少し怖いけど、おかげで領収書ってものはしばらくもらったことがない。
お会計をする時に、MFカードを使ってお店側にタイムスタンプを電子的に押してもらえば、領収書代わりになるらしい。
昔は領収書やレシートをファイリングして保管していたらしいが、そんなことは今では想像もできない。
銀行残高や、入出金、クレジットカードの使用履歴から、返済履歴、税金の支払履歴までビッグデータとして保管しているマネーフォワードには国税当局も一目置いているようだ。
噂によると、MFカードで確定申告をした場合は税務調査が入りにくいらしい。
セキュリティ面がちょっと怖いけど、使いやすいし便利!
世の中が本当に便利になってきたな。
バブルを知らない世代とか言われているけど、俺はこの時代に産まれてきてよかったな。と誰もが思えるような未来づくり
そんな未来を私は夢見ています。
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