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2016.11.22.

建設業の独立開業要件と注意点

建設業を開業する場合、必要な要件が数多くあります。要件すべてを満たしたら国土交通大臣または都道府県知事の許認可(以下、建設業許可)を取得できます。

具体的にご紹介していきます。建設工事を行う建設業者は、建設業許可を受けていなければなりません。元請負人だけではなく、下請負人・個人・法人も同様に建設業許可が必要です。簡易的な建設工事の場合は、建設業許可が不要となることもあります。

【建設業許可を取得する必要があるかどうかのチェックポイント】

簡易的な建設工事の場合は、建設業許可が不要となることもあります。
簡易的かどうかを判断する目安は下記の通りです。

・建築一式工事を除き、1件あたりの請負金額が500万円未満の工事なら、建設業許可は不要です。
・建築工事一式で、1件あたりの請負金額が1,500万円未満の工事で、尚且つ
延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅の工事(主要構造部が木造かつ延べ面積の5割以上が住居として利用される場合)なら建設業許可は不要です。

【建設業許可の業種】

建設業許可は、業種によって28種類あり、いずれも国土交通大臣または都道府県知事の許可を得なければなりません。

1.知事許可と大臣許可

国土交通大臣または都道府県知事によって建設業許可が受けられます。
営業所の所在地によってどちらの許可を取るかが異なります。

ⅰ.大臣許可:営業所を2つ以上の都道府県の区域内に設置する場合
ⅱ.知事許可:営業所を1つの都道府県内に設置する場合

2.特定許可と一般許可

建設業許可には、特定建設業と一般建設業の2つに分けられます。

ⅰ.特定建設業:発注者から直接依頼のあった1件の工事で、下請け金額が3,000万円(建築一式工事は4,500万円)未満となる建設工事を施工する場合。
ⅱ.一般建設業:請け負った工事を下請けに依頼しない場合。または1件の工事代金が3,000万円(建築一式工事の場合は4,500万円)未満の場合。

個人事業主、および本支店の役員にあたる経営業務管理責任者のとしての期間と、専任技術者の実務経験など、所有している国家資格によって業種が分けられ、許可要件は異なるので開業の許認可を取る際は要注意です。

以下の28業種を参考に、該当する業種を確認すると良いでしょう。

(1)土木工事業
(2)建築工事業
(3)大工工事業
(4)左官工事業
(5)とび・土工工事業
(6)石工事業
(7)屋根工事業
(8)電気工事業
(9)管工事業
(10)タイル・れんが・ブロック工事業
(11)鋼構造物工事業
(12)鉄筋工事業
(13)舗装工事業
(14)しゅんせつ工事業
(15)板金工事業
(16)ガラス工事業
(17)塗装工事業
(18)防水工事業
(19)内装仕上工事業
(20)機械器具設置工事業
(21)熱絶縁工事業
(22)電気通信工事業
(23)造園工事業
(24)さく井工事業
(25)建具工事業
(26)水道施設工事業
(27)消防施設工事事業
(28)清掃施設工事業

【建設業許可の要件】

建設業許可を得るための具体的な要件について説明します。

1.経営業務管理責任者の有無

個人事業主または法人役員であり、尚且つ下記の要件のいずれかに該当していること。

ⅰ.許可の取得を目指す業種の建設業で5年以上にわたり経営業務に携わった経験がある。
ⅱ.許可の取得を目指す業種以外の建設業で7年以上にわたり経営業務に携わった経験がある。
ⅲ.許可の取得を目指す業種で、経営業務の管理責任者に準ずる地位に就き、経営業務の補佐に7年以上携わった経験がある。

常勤者であり、経験年数を証明できるように過去に勤めていた会社や同業者に証明書を作成してもらうか、
確定申告書の控え、見積書、契約書などの提示が求められます。

2.専任技術者が全営業所に在籍すること

下記のいずれかに該当し、常勤していなければなりません。

ⅰ.国家資格を所持している者。
ⅱ.高等学校の所定の学科を修了後5年以上、高等専門学校や大学の所定の学科を修了後3年以上にわたり実務に携わっていた者。
ⅲ.学歴、資格を問わず10年以上の実務経験がある者。

3.誠実性

建設業を開業する場合、不正や誠実さのない行為があってはいけません。

4.財政的基盤があること

一般建設業を開業する場合、下記のいずれかに該当している必要があります。

ⅰ.自己資本が500万円以上。
ⅱ.直近5年間で許可を得た上で継続して業務を行った実績がある。
ⅲ500万円以上の資金を調達できる能力があること。直前決算時の自己資本額や預金残高証明書で小笑みで着ます。

なお、特定建設業を開業する場合は、下記の要件すべてに該当している必要があります。

ⅰ.資本金が2,000万円以上。
ⅱ.自己資本が4,000万円以上。
ⅲ.欠損額が自己資本の20%を超えないこと。
ⅳ.流動比率が75%以上。

元請工事1件につき、下請業者へ発注する時の合計金額が3,000万円以上(建築一式工事の場合は4,500万円以上)となる場合、特定建設許可になります。下請け工事しか受注しない建設業は一般許可です。

5.欠格要件に該当しないこと

営業していくにあたって、公共の福祉を著しく害したり、他人に迷惑をかけたりする可能性があると判断されると、欠格要件に該当します。他の要件を満たしていたとしても、建設業許可は下りません。

以上のように、建設業の許可には業種によってさまざまな要件があります。自分が開業しようとするジャンルは、どの建設業許可に該当するのかをよくチェックして、許認可の取得を目指しましょう。

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