神奈川県大和市の公認会計士・税理士 

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2016.9.15.

中学生「税についての作文」

税理士会の税についてのコンテストでは今年も60万通を超える応募があり、中学生が税について思い思いの考えを述べてくれています。

その中から、私が心を打たれた作文を紹介したいと思います。

北欧の税金から学んだこと 有村遥香(北海道・千歳市立北斗中学校)

私が税金に興味を持ったのは、中学一年生の冬のことだ。その時期は、消費税が五パーセントから八パーセントに値上がりするというニュースで持ちきりだった。私は、毎月両親から貰う限られたお小遣いでやりくりをしている。そんな私にとっては、少しの値上がりでも痛手となってしまう。だから、増税なんて断固反対だった。

その年の冬、私の興味をひくプリントが学校の掲示板に貼られていた。それは市内の中高生を対象とした、ノルウェー派遣研修への募集用紙だった。私はこの研修にぜひ参加したいと思い、すぐさま応募条件であった作文を書いた。そして見事選考され、晴れてノルウェー研修に行けることになった。ノルウェーでの研修は本当に素晴らしいものだった。そして、私の税に対する考え方を変えてくれた、大事な研修でもあった。

ノルウェーは、税金が二十五パーセントもある。最初聞いた時はとても驚いた。実際、普通のスーパーで売られていたチョコが一袋千円近くし、日本の百円ショップで売っているような雑貨も高い値段で売られていた。おおよそ、日本の約三倍の物価だった。

その時の私は、「こんなに税金が高くて生活は大変ではないのか。」「高いことに何かメリットがあるのだろうか。」と疑問に思った。

疑問を解消する為、インターネットを使ってその事について調べてみた。すると、沢山のことが分かった。ノルウェーのみならず、大部分の北欧では、高い税金がかけられている。しかし、高い税金を払っている分、子育て支援・教育費・医療費など手厚い福祉制度の恩恵を受けていることが分かった。ひとつの例を挙げると、ノルウェーでは公立ならば大学まで学費は無料である。私はこの制度は素晴らしいと思った。お金に困っている人でも、自分が学びたいと思えば大学まで行くことができ、学びを深められるから。また、病気や怪我をした時でも無料で手当を受けられるのだ。

そして今、また日本では、消費税が二〇一七年に一〇パーセントに上がる、と騒がれている。以前の私だったら、「なんでまた上げるんだ!大変な思いをするだけじゃないか。」と、文句を言っていただろう。だが、今は違う。国民が、より良い生活を送れるように増税をするのなら、それはぜひ推進すべきだと思うようになった。

国民の生活を豊かにしてくれる税。税金という制度があるお陰で、私たちは暮らしやすい生活を送れているのだと思う。政府にはこれからも、国民ひとりひとりの為、税金の使い方を間違えず、世の中の為になるような使い方をしてもらいたいものだ。

いま、国内でも消費税が10%に値上げされるという議論が巻き起こっていますが、本来はもっと徴収された税金がどのように使われているのかを国民に分かるように説明することが必要です。

また税金があるおかげで私たちが暮らしやすい生活を送れているのだという事を感じれる社会にしていくことが必要だと思います。

ひとりひとりから集めた税金の使い方を間違えず、世の中のためになるような使い方をしてもらいたいものですね。

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