神奈川県大和市の公認会計士・税理士 

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2016.9.3.

マイナンバー制度導入で困ること ~水商売バイト編~

ちまたでは、マイナンバー制度導入で水商売で働いているホステスさんが激減するのではないかと言われています。
ある調査によれば、昼間は一般の会社で働いていて、夜は水商売で副業している方のうち3割程度が、マイナンバー制度導入のタイミングでやめていくと言われています。

この問題について今回はマイナンバー制度の導入で困ること第二弾~水商売バイト編~として説明したいと思います。

まず、マイナンバー制度というのは別名「国民総背番号制」ともいわれているように、国民を番号で管理する制度です。
そのため、どの背番号の国民がどこでいくらの所得を得ているのかということを、国が番号を使って一元管理することが可能になるという国にとってなんとも都合がよい制度なのです。

この、マイナンバー制度の導入のために「会社バレ」や「親バレ」などを恐れてホステスさんが夜のお店をやめてしまうのはなぜでしょうか?

例えば大和市に住むサクラさん(仮名)は、日中は市内の病院で看護婦をしています。
看護婦のお給料は月25万円、欲しいものも買いたいし、もう少し贅沢もしたい。。そう思ったサクラさんは勤務後の夜の時間こっそりと町田市のキャバクラで働くことにしました。

キャバクラではお客様に気を使うことも多く大変ですが短時間労働で月15万円というなかなか良い収入を得ています。

税金の申告もきちんとする優良店ですので給料が支払われる際にお店からは10%の税金が差し引かれています。

病院の給料は経理の人が年末徴収を行っていてきちんと税金を払っているし、キャバクラの給料も所得税が引かれているので、私はきちんと税金を払っている。
サクラさんはそのように考えていました。

でもある時、サクラさんの元に大和税務署から電話がかかってきました。
「サクラさん、病院とキャバクラと2か所から所得を得ているので、今年の確定申告してくださいね」と言われました。

言われた通り、サクラさんは大和税務署に行って、担当の方にいろいろと教わりながら確定申告を無事に済ませました。

でも申告が終わってホッとしていた夏のある日、今度は勤務している病院の経理担当の人から呼び出しをくらいました。
「サクラさん、病院の勤務以外に、他のところでバイトしてるんじゃないですか?うちは副業は禁止されているのわかってますか?このままだと病院をやめてもらわなくてはいけません」と。

サクラさんはびっくりしました。
なんで今まで副業していることがバレなかったのに、いきなり税務署や病院の経理にバレてしまったのだろう?と

それはすべてマイナンバー制度の導入が原因です、
これまでも税務署にはサクラさんが病院でもらっている給料とキャバクラでもらっている給料がきちんと報告されていました。
しかし、これまでは病院で働いているサクラさんとキャバクラで働いているサクラさんが本当に同じサクラさんなのか、税務署としても一致させるのは難しかったと言われています。
だって同じ地域に住んでる同じ名前の人だってたくさんいますからね。

しかし、マイナンバー制度では名前ではなく番号で国民を認識するため、同じ番号を持つ人は日本で1人だけになってしまったのです。
だから、税務署にとっても、病院とキャバクラで働くサクラさんが同一の人だとすぐわかってしまうこととなったのです。

そして、税務署に言われるがまま確定申告をしてしまったサクラさん。
翌年の住民税は月25万円ではなく、月40万円(25万+15万)ベースに対して税金がかかります。

サクラさんの給料の計算をしていた経理の事務員さんは、他の看護婦さんと同じような給料のサクラさんの住民税の支払いが他の人よりも多いことに気づきピンと来たようです。

こうして、サクラさんは病院に副業がばれてしまい、夜のお店をやめざるを得なくなりました。

結局、これまで何となくごまかされていたためにうまく夜の経済も活性化していたのに、マイナンバー制度の導入のせいで夜の経済が発展しなくなり、世の中の男性たちのモチベーションが下がり、昼間の仕事の生産性も下がり、日本全体の経済の成長も鈍化する。。

そんなデフレスパイラルのようになりうる制度が、マイナンバー制度なのです 笑

もちろん、本来きちんと税金は申告しなきゃいけないんですけど。

そんな、ひそかに困ってる夜のお姉さんもこっそりやまと総合会計事務所に相談に来てください。

以上マイナンバー制度導入で困ること~水商売バイト編~でした。

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